酒飲んで、車いじって、トロンボーン吹いて、寝る。そんな生活に憬れる今日この頃。
日記の更新は気の向くまま、つれづれなるままに・・・

三十三間堂

一旦東寺駅近くまで戻って、そこで208系統のバスに乗って三十三間堂へ。
こちらは閑散とした東寺に比べて学生や外人の団体客がいたりして賑わってましたね。
早速拝観料を払って中へ。


通路を曲がったその瞬間






『おおぉぉ〜』






一糸乱れずにずらりと並んだ千手観音。建物の柱が遠近感をさらに際立たせている。
ある意味で東寺曼荼羅宇宙とは別の、幾何学的な宇宙を感じる。


ふとみうらじゅんいとうせいこうの「見仏記」に書かれた「パース」の話を思い出す。
仏像の仏像たる所以は、祭られている本堂や仏像そのもののの遠近感や距離感が、仏像を見る者を圧倒させ、心を奪い、信仰の対象にせしめんとするのである。




そんなこんなで、しばしその空間美に酔いしれる。



中国の兵馬俑のようにならぶ千体観音の一番最前列には、慶派・院派・円派の有名な仏師作の観音が並んでいる。


ここで私は思わずミュージカル「コーラスライン」を思い出した。


ここに並ぶ仏師の銘が入った観音様は、まさしく白いラインの上で踊る、選ばれしトップダンサー。
名(銘)もないダンサー達のバックダンスの前で、その仏師が刻んだ仏像美を誇っている。
そしてそのダンサーの前にいるのは、興奮し狂喜乱舞した観客が客席から舞台に上がってこないよう警備員「二十八部衆」。柵を隔てて我々を威嚇している。
そしてもちろん中央には主役の千手観音。小林幸子美川憲一のド派手衣装じゃないけど、持物を持った40本の腕はド派手衣装以上の派手さで主役に相応しい佇まいである。


まさしく平安〜鎌倉時代にかけてのロングラン公演を行った仏教版「コーラスライン」である。


とまぁ脳内妄想に浸りながら中央の本尊を見仏したときには、すでに時刻は15:30。閉館時間を伝える館内放送が流れた。
その後はゆっくり見ることができず、唯一、二十八部衆の「婆藪仙人(ばすせんにん)」だけをじっくり見て、御朱印をもらって出てきた。




いや、ここはもう一度来て仏教版「コーラスライン」をじっくり見たいところである。