酒飲んで、車いじって、トロンボーン吹いて、寝る。そんな生活に憬れる今日この頃。
日記の更新は気の向くまま、つれづれなるままに・・・

④健美効炉の「神」登場

そんなこんなで一通りの石風呂で汗をかいて元の大部屋にくると、先ほどの柵の周りに人がたむろしている。しかも台車がない方に、である。
「なんなんだ?何か起こるのか?」と見ていると、しばらくして係員のおっさんが来た。おもむろにマイクを取り出して
「これから800℃に熱した石をお出しします」
と告げる。そのアナウンスを聞きつけてか、壁際で座っていた人たちも「なんだなんだ」とさらに集まってきた。
やがて係員のおっさんが操作盤のスイッチを操作する。すると壁の扉が開いて、中から「むーん」とした熱気と共に大きな台車がゆっくりと出てきた。もちろん中には熱した石が積んである。


「お石様の、おなぁ〜り〜」という掛け声と共に太鼓の「ドン、ドン、ドン」というBGMが本当は欲しいところであるが、実際には、係員のおっさんがカンペ棒読みで「この石はモンゴルの麦飯石で・・・」と説明を続けるだけである。ちっ、つまんねー。


とはいえ、その熱した石の周りを数十人の人が立ったまま取り囲んで見つめている、その光景は、まるで新興宗教の教祖様登場の様相。
完全に台車が出た時には、周りは「むわー」っとした熱気(人の熱気ではなく、石の熱気)で包まれる。


そのときである。


係員が「石に向けて手をかざすと、800℃の石の熱が良く感じられますよ」というと、その台詞とほぼ同時にそこにいた観客全員が両手を高く上げ、手のひらを石に向けはじめたのだった。
その光景はまるで「お石様」の御加護を受けんとする信者たちのよう。みんな一様に「おー、熱い熱い〜」「うーん、熱いねぇ〜」とつぶやいている。しかもみんな同じ色の着衣を着ているので、ホント新興宗教の集会にしか見えない。


あまりに衝撃的でイタイ現場を見てしまって、唖然&呆然で思わず「お前たち、変!」とケタケタ笑うしかなかった。いやぁ、集団心理って恐ろしい。